「文藝春秋」をePub化するという無謀なプランでブログを書いてみるw

2010/09/27

ePubの表現力は雑誌のようなレイアウト重視のモノには向かないとは分かっているけど、様々な事情から要件を煮詰めていくと、現状ePubを選択してみるか...というある意味消極的な選択ではありつつも、現実的な選択はePubだったという事案が増えております(苦笑)

  • iPhone / iPad アプリとして開発を行う予算確保
  • Appleの審査の不透明性とリリースタイミングが計算できない
  • 実際にアプリとして販売にこぎ着けたとして幾ら売上げが期待できる?
  • テキストをコピペしたい
  • 文書内検索や、インターネット検索も利用したい
  • ブックマークを利用したい
  • 映像や音声も使いたい

上記のような所がまず皆さんからよくご相談いただくポイント。

更に、ePubファイルにコピーガード実装の道筋がちゃんとしていないため、ePubファイル自体はコピーフリーだということを受け入れていただく必要あるのですが、

  • 紙媒体の販促として一部コンテンツを無料配布?
  • 紙媒体のおまけ扱いとして、購入者だけに無償配布?(アクセス制御を施した自社サーバに紙面記載のID/パスワードを利用してもらいダウンロードしてもらうなど)
  • 抜き刷りの電子版として、個別にコンテンツをダウンロード販売(自社のECサイトを通じての販売かPaypalなどを利用)

こういった方法は配信するサーバや課金システムの開発などで追加コストがほとんど必要としないため多くの方々にご興味をいただき、それぞれが実際に採用されている手法となります。

しつこいようですが、9月9日のプレスリリースから我が社としては信じられないレベルの会社さんから直接の問合せをいただき、皆さんの電子書籍、 ePubへの興味・感心の高さを痛感している訳ですが、我々のビジネス実績として第1号となったJazzJapanさんと同様に雑誌ではあるけれど、その コンテンツの方向性としては文章主体の「読み物」というスタンスの媒体は日本にそれこそ沢山あり、その代表格はわたしのブログでも時々取り上げている「文 藝春秋」だと思うのです。

現在「文藝春秋」は800円で販売されていて、1年間の定期購読を申し込むと9000円で送料無料で12冊が読め、特典として『もう一度読みたい あの記事あのエッセイ「文芸春秋」昭和・平成 傑作選』と文春カレンダーがついてくるらしいのですが、

毎月記事の抜粋版を配信する試みを是非トライしてみてはどうでしょう?


多分、縦書きじゃないからダメ...という話になるとは思うのですが(爆)

制 作・配信する原稿の分量にもよりますが、仮にePub変換作業に25万のコストを掛けたとして12ヶ月で300万、ここからAmazonへ誘導しての個別 販売も当然期待できる訳ですが、自社サイトでの定期購読受付で最低334人が定期購読を申し込んでくれれば、1年間のePub制作コストは負担することが できますし、文章主体の「文芸春秋」であればePub制作コストはもっと下げる事可能でしょうし、そうなれば越えるべきコストのハードルは更に下がること になります。

縦書きならT-Timeなり青空文庫でいいじゃんというごもっともなご意見もありかとは思いますし、、各種デバイスにおけるアクセシビリティという 点でKindleが上回っている点は認めざる得ないところがありますが、ePubの可能性という観点で考えていただくと、ビデオや音声といったマルチメ ディア対応してしまうとApple社のデバイス単独対応になってしまい、そのマーケットは限定的なモノになってしまいますが、

純粋なテキストと画像のレイアウトであれば、

このように幅広いユーザに配信したコンテンツを楽しんでもらう事ができます。

こういった説明をした場合に「無料で配布するならWebと一緒だよね?」とご意見をいただくのですが、ePubの場合は各デバイスにデータをダウン ロード、オフラインでも楽しむ事が出来ますので、ネットに接続してWebサイトのコンテンツを閲覧するのとはこの点で大きな違いがあります。

それと心理的にiBooksの本棚にその書籍の表紙が毎月増えて並んでいく様はやはり迫力があるんですよw 現在JazzJapan電子版の第2号の制作佳境に入っているのですが、第1号と2号の表紙が並んでいるのを眺めるとちょっと嬉しくなるんですよね...マジでwww

そんなこんなで今日は「文藝春秋」をePub化するという無謀なプランでブログを書いてしまいましたが、「文藝春秋」もTwitterでつぶやく時代ですから何か面白い展開になったりするといいのですけどねw


先日のニュースリリースに多くの方々からの反響をいただいており、誠に有り難い限りです。

弊社としても出来る限り多くの皆様からの電子書籍ビジネスへのお問い合わせやePub制作のご依頼に対応していきたいと考えておりますので、具体的な案件の打診を含めこちらの問合せフォームからお気軽にコンタクトをお願いします。

JazzJapanのePub制作事例についてはこちらのページに解説を用意してございます。

【CNET】シーエムパンチとブレインハーツ、電子書籍の企画から制作までの総合サービスを開始
http://japan.cnet.com/news/service/story/0,3800104747,20419785,00.htm

【翔泳社】企画から制作、マーケティング支援まで~シーエムパンチとブレインハーツが電子書籍やiPad活用のための総合支援サービスを提供開始
http://enterprisezine.jp/article/detail/2514

【ZDnetbuilder】シーエムパンチとブレインハーツ、電子書籍の企画から制作までの総合サービスを開始
http://builder.japan.zdnet.com/news/story/0,3800079086,20419785,00.htm

乗客を乗せたバスでKindleで読書をしている無謀な運転手

2010/09/22

電子書籍の仕事に積極的に関わっている立場としては、一定数のデバイスが浸透してくれないことには、コンテンツの流通する数も増えないので kindleなりiPadなどなど売れてほしいし、読書だけでなく個々人が思う方法で活用してほしいと思うのですが、携帯電話なども登場から数十年の月日 が経過してもその利用マナーについて議論が起きることがいまでもありますよね...

日本よりもkidleが浸透しているであろう米国で、こんなニュースが取り上げられているようで、その中身とは

Kindle reading Trimet bus driver makes NBC NIGHTLY NEWS!

自身が運転中のバスにKindleを持ち込み、走行中にページめくりをしている所をビデオに収められてしまったというもの。

乗客を乗せているバスでちょっと信じられないですが、こういう規則とか、公衆マナーが今後はいろいろと出てくるのではないか...と感じつつ、携帯を利用禁止にしている喫茶店もそれなりにあるので、折角の持ち歩きデバイスが出先で使用禁止にならないよう願うばかりです。

電子雑誌としてのePubの可能性をJazzJapanとその他の事例から考えてみる

2010/09/06

谷川さんが書かれたエントリをご覧になった方はすでにご存じかと思いますが、谷川さんと協力しながら電子書籍制作プロジェクトの案件を具体化することが出来ましたので、報告かたがたエントリ書かせていただきます。

その中身とは、ジャズの専門誌、スイングジャーナルが七月号で休刊、新たにその編集部のメンバーが中心になって、発売元をヤマハミュージックメディ アが務め、書籍販売と電子書籍で「JazzJapan」として先月28日にVol.1が創刊するので、その電子版を31日に配信するという企画で、かなり のハードスケジュールをなんとか無事消化することが出来ましたw

ePub制作についてはこれまたオルタナブロガー永井さんの著書をePub化する試みを経験していた事が幸いし、たまたまAppleのほうが拡張方 式ではあるのですがビデオや音声、PDFをePubに埋め込む方法をリリースしてくれたというタイミングだったので、JazzJapan編集部の方々にそ の時点で考えられる音楽ネタと連係した活用方法を説明、

編集サイドの要望としてはアーティストインタビューのビデオの掲載と、方法は何でも良いので電子書籍の中で試聴が出来る事、来日アーティストのライ ブ情報掲載とそこからリンクをたどって、チケットの予約や購入できる仕組みを作りたいとの事でしたので、技術面での問題はクリア、あとはレイアウトで出来 ること、出来ない事の確認と、一応iPad/iPhone/iPod touchに最適化で了承はいただいたのですが、、StanzaやAdobe Digital Editions、FirefoxのePubビューワーでの閲覧も考慮しつつコーディング作業を進めることにしました。

今回この短期間で良く話がまとまったと思うのですが、そこには編集部の方々がこれからは電子でやっていく事を考えなくてはダメ!という強い思いと我々の提案を受け入れてくれる柔軟性があったからだと思います。

日本の出版社および印刷会社の大多数の方々は、当然ながら日本語としての縦書き表示を大切に考えられていて、電子書籍を新たな媒体としてうまく活用 していこうという思考よりも、従来あるコンテンツの電子化(XMDF、T-Time、.book による縦書き再現の精度など)に目が向いているケースが多いように思われ、どうも話が噛み合わないケースもあったりして、

それはそれは大事な事なのですが、雑誌媒体の電子書籍の利用形態のひとつとしてePubが持つお手軽さとインタラクティブ性を活用すること、そして iBooksという書棚に収まり、ひとつのコレクションとして蓄積されてく特性を考えると雑誌媒体の方々には注目・活用すべきテクノロジだと思うのです。

例えば、

出版という事をまずePubが前提ということで取り組んでしまうというモデル。そしてこのモデルはすでにジェットダイスケさんが編集長として取り組まれていらっしゃいますね。

ポットキャスト配信を利用することで定期刊行するオススメレシピ(ePub形式)が読者のiBooksの本棚に届くという先例を示したテーブルマーク株式会社とWhizzo Productionの事例も有名なところですね。

ホンダさんの場合には、自社のバイクを特集した記事をメーカーサイトで通常のWebコンテンツとして再掲するだけでなくePubとして配信する取り組みをスタートされており、特集記事の利用方法として今後こういう手法は多くの会社が採用すると思われます。

そして我々が取り組んでいるJazzJapan

こちらは何より雑誌創刊と同時にスタートした電子書籍なので既存雑誌なら活用できるバックナンバー利用が出来ない...という辛さと、フリーではなく紙 媒体を購入いただいた方向けのコンテンツという難しさがあるのですが、ここに関わる人達が電子書籍という形態で新たな音楽雑誌の形態を作って行こうという 心持ちでプロジェクトを進めておりますので、次号からこんな機能を付けてみたいとか、こういう使い勝手を実現できないものか...などなどまだ進化の余地は十 分あると考えています。

そして何より、アプリとしてのリリースやiBooksへの登録はAppleの審査がある以上、コンテンツ制作・提供側の思うタイミングでリリースす るのは困難であることや、アプリの場合その中身によっても掲載がストップしてしまうリスクを考えると、自社サーバから無料でも有料でも自社の考えるスケ ジュールと中身で定期・不定期を問わずePub雑誌をリリースできるというのは利用価値があると考えます。

このほかにも今回のePub電子書籍の発刊という具体的な案件を経験したことでかなりノウハウを得ることができました。残念ながらビジネスの絡みも ありそのすべてをここで書くことはできませんが、JazzJapanは紙媒体を買っていただいた方限定のコンテンツとしてリリースしていく方針なので、無 料配信のものと比較してどうそのプレミアム感をコンテンツで実現していくのか?などの非常に難しい課題がありつつも、そこにトライしていく機会を得られた 事は本当に有り難いことだと、今回の関係者の皆さんには本当に心からお礼を言いたいと思います。

そして、記念すべきJazzJapanVol1の表紙を飾った世界的なギタリスト、渡辺香津美さんがパットメセニーのオーケストリオンの衝撃という 寄稿をされていて、JazzJapanVol1の電子版についてもTwitterでのつぶやきを介して交流を持たせていただけた事はこれまた予想外の展開 であり、わたしにとって電子書籍がこういう形で衝撃をもたらすとは思いもよりませんでしたw

残念ながら我が社に営業として動けるのは私しかいないので、雑誌編集部・出版社へのePub活用について印刷会社さんや代理店さんを通じて提案をお 願いしているのですが、もしこの事例をみて、うちの雑誌でも取り組んでみたいとか、メーカー側として自社コンテンツの活用方法のひとつとしてePub利用 してみたいという方は是非

↑こちらのページをご覧いただき、お問い合わせいただければと思います。